tealとは何か?〜 Teal Organization(新しい次元の組織)に関する海外カンファレンスの現地報告会〜

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2016年10月19日(京都)、10月24日、25日(東京)にて、Teal Organization(新しい次元の組織。以下Teal)に関する海外カンファレンスの現地報告会が開催され、合計102名の方が参加した。

「一人ひとりが輝き、社会を幸せにする組織とは?」「全く新しい次元の組織とは?」そんな問いを一緒に探求できる学びの場である。当企画は、9月19~23日にギリシャ・ロードス島にあるカンファレンス「NEXT-STAGE WORLD: An International Gathering of Organization Re-inventors」に参加した嘉村賢州氏(home’s vi 代表理事)と、吉原史郎氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)による報告会だった。(写真は京都での報告会 )

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当報告会では、以下の内容を中心に語られ、参加者どうしのディスカッションの場が作られた。

⑴新しい組織の概念である Teal Organizationに出会うまでの経緯
⑵Tealの記載をした「Reinventing Organizations」の要約とカンファレンスでの学び
⑶今後の新研究会発足と展望

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⑴新しい組織の概念である Teal  Organization に出会うまでの経緯 

2人が多くの組織の課題に取り組む中で感じた組織が共通して抱えている問題や、Tealに出会った経緯などが語られた。

・「そろそろ組織も進化してよいのでは?」
・「個人ではなく、組織の構造に問題があるのでは?」
・「人や社会を幸せに導く組織のあり方とは?」(「筋斗雲組織」の模索)
・「未来の働き方や組織はどうなってるの?」(組織間生態系の模索)
「Reinventing Organizations(組織の再発明)(英書)」との出会い

⑵Tealの記載をした「Reinventing Organizations」の要約について

さて、ここからが本題である、組織の進化形態についての説明に入る。この本のテーマは、人類が有史以来5つの属性による組織を経験してきているというものである。以下、5つの色によってたとえられた組織形態の進化を追っていこう。

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1つ目の組織は“RED”である。“RED”は、紀元前10000年前くらいに生まれた形態で、トップの力によって群れるオオカミの群れのような組織だ。長い目で先の見通しを立てる必要はないので、極めて短期的な思考が優位にはたらく。

2つ目は、“AMBER”である。“AMBER”は、紀元前4000年くらい前に生まれた形態で、厳格な上意下意の指揮命令系統な軍隊のような組織だ。未来は過去の繰り返し、変化や競争を好まない安定性がある。

3つ目は、“ORANGE”である。“ORANGE”は、14世紀くらいに生まれた形態で、ピラミット型で機械のような組織である。変化に適応し、目標達成のための予測と管理のマネジメントの論理がある。

4つ目は、“GREEN”である。“GREEN”は、18世紀くらいに生まれた形態で、伝統的なピラミッド型組織の形態を取りながらも、組織文化の向上とエンパワーメントに焦点を当てて、従業員の多様性の尊重や高いモチベーションを生み出している家族のような組織である。

5つ目は、“TEAL”である。“TEAL”は、1970年ころから生まれた形態で、ピラミッド型組織ではなく、CEO・経営陣と多くのチーム、サークルからなる組織である。これは、信頼で結びつき、組織の進化の目的に沿って活動するというものだ。

このように、5つの組織形態の進化を紹介してきた。ポイントは、これらは進化の度に各段階の進化を内包しているのであって、決して他の進化形態を否定するものではないということだ。それでは、これから注目されてゆくであろう“TEAL”型組織はどのような実態なのだろうか。その3つの要素について紹介しよう。

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Teal型組織の3つの要素とは?

1つ目は、“セルフ・マネジメント”である。これは、自分でモチベーションを保ったり、生産性をキープする自己管理能力のことを指す。ここでの手法例として、「アドバイスプロセス」という、合意形成の手法を取り入れている組織が多く見られた。

2つ目は、“ホールネス”である。これは、職業人としての合理性だけに焦点を当てるのではなく、感情、直観、精神的なもの及びプライベートな部分にも焦点を当てることで、個人の内面の全体性を全員が取り戻すことである。

3つ目は、“進化的な目的”である。組織自体が生命体としての方向感を持っているため、未来を計画したりコントロールすることはなく、全てのメンバーがこの組織がどうなりたたくて、どこに向かいたいのかに耳を傾けて理解しようとする。

具体的な実践事例としては、「Buurtzzorg」というオランダの訪問医療の組織を挙げていた(参考記事:「オランダのコミュニティケアの担い手たち(前編)在宅ケアのルネサンス――Buurtzorg / 医学書院」)。これは、看護師含めて9,000人という大人数が上司部下という階層がない形態の組織で働いているという事例で、他にもいくつかの事例が紹介された。Tealを理解する上では、こちらの参考記事の後半部分(「CEOの年収2000万円ほか全社員の給与を公開中、Buffer創業者に聞く「過激な透明性」のワケ」)が、とても参考になると思う。

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⑶今後の新研究会発足と展望について

今後の研究会の展望としては、ラーニングコミュニティとして「Reinventing Organizations」などの読書会を開いたりFacebookグループで意見交換をする予定について語られた。今ある組織に疑問を感じたり、その在り方を探求したい人は、ぜひ研究会にも関わって見てほしい。世界中でこの趣旨に共感した人が草の根的に実践事例を共有し高めあうラーニングコミュニティが生まれようとしているそうだ。来年4月には、ギリシャでの2回目のカンファレンスも予定されている。

また今回は「目安価格3,000円」というチャレンジがなされた。この「Reinventing Organizations」の著者であるフレデリック・ラルー自身が元々マッキンゼー出身というビジネスの世界にいたが、そのビジネスの文脈に辟易としたようで、新しい世界観の活動を進めていくことになったとのこと。この本もビジネス的な文脈に巻き込まれないように自費出版からスタートしたそうだ。

それに習い、この会合でも「この金額がないと参加できない」という金額設定ではなく、受付で渡された封筒に、イベント後に自分で値段を決めて支払うという方法がとられた。これから立ち上げる研究会も経済的なパワーに極力流されない形の運営をするためである。(以下は研究会の仮バージョンのロゴだ)

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報告会に参加してみて、組織は生きている! と感じた。5つの形態があるように時代やマネジメント層の考え方によって変化していく。これは、組織が循環する在り方を常に追及しなければならないということだろう。また、私自身、組織で働くにあたり、自分らしさを封じ込めていた経験からTealのようなチームな組織がこれからの未来に必要であり創っていきたいと思った。

 

記事作成:阿河裕樹(home’s viのプロボノスタッフ)、

吉原史郎(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

 

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